舗装や施設の老朽化等が進んでいた大森駅東口駅前広場において、広場のフラット化による利活用スペースの確保、将来的なエリアマネジメントへの発展を見据えた利活用スペースと通行スペースのゾーニング、誰もが憩い過ごすことができる空間づくり、を実現するため舗装・照明・植栽の改修デザインにより大森駅前広場の新たなイメージを創出した.
昼でも夜でも、誰もが安心して過ごすことができるような環境づくりを行い、これまでの大森駅前広場ではあまり見られない子どもや女性等の利用者像を拡張することで、広場の利活用の発展に寄与することを1つの目標としてデザインを行った.
- 1.利活用空間と通行空間をゾーニングし、大森の歴史・文化を伝える縄文土器の文様をイメージした路面デザイン
- 2.新たな利用者層を引き出すファンタジー感あるカラー照明と、電球色の落ち着いた照明を組み合わせた夜間景観
- 3.管理を行うNPO大田・花とみどりのまちづくりとの協働による、年間を通して軽やかな変化を見せる宿根草を中心とした植栽デザイン
このプロジェクトでは、駅前広場全体の再整備を控えた暫定整備であるという位置づけも踏まえ、駅前広場のデザインとして新たな可能性を追求した.
公共空間としての質的強度を担保しつつ、土木空間らしからぬ舗装や照明デザインを導入することで、周辺は居酒屋などが入居するビル群が多いなかでも子どもや女性など大森駅前広場の新たな利用者層を獲得し、広場の利活用の発展に寄与することを1つの目標としてデザインを行った.
プロジェクトを通して工事・維持管理・教育文化等の他部署との調整を迅速かつ丁寧に行っていただいた大田区都市開発課と設計・工事面でのバックアップをしていただいた建設工事課の方々には多大なる謝意を示したい.
また、このプロジェクトは、地元まちづくり協議会を通じた市民との意見交換により方針が検討され、我々だけでなく都市計画・まちづくりコンサルタント、グラフィックデザイナー、照明デザイナー、植栽管理NPOのそれぞれが高度な専門的技術を発揮してつくられたコラボレーションの賜物であることを最後に記しておきたい. この広場が大森の顔として愛される場所に育つことを心より祈っている.