日本で初めて稲作が始まったといわれている福岡県糸島市二丈石崎の地で「建築も含めた全体がサスティナブルな要素を感じさせるランドスケープをつくりたい」という施主からの希望からこのデザインは始まった.
家具をストックする倉庫機能にショールーム機能が付加される建築は、周辺のおおらかなランドスケープと調和する“群”としての佇まいをみせる.
ランドスケープデザインとしては、その群としての建築と周辺の自然をつなぎとめることを第1の目標とした.
地域に根づく樹種をベースにルーラルな環境を形成するデザインを基調としつつ、エントランスについては都市的な要素を取れ入れることでルーラルな環境がより浮き出るような効果をねらった.
夜景は、外壁をキャンパスとして樹木が影絵のようにゆらぐような情景を描き、落葉樹と常緑樹とでライトアップする期間を変え、夏季と冬季で異なる表情を見せる演出を行った.
春には桜が咲きシンボルツリーであるエゴノキは春に白い花をつかせ、秋にはモミジが色づく季節を積み重ねていくことで周辺のランドスケープに馴染む風景が育つことを期待したい.
【グッドデザイン賞 2019】